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そんなん売れんの!?「体験」を売るトースターの価格は22,900円

市場のトレンドがこうなっているから、こういう商品を幾らで出そうという考えでは、多分、大ヒットは生まれないと思っています。

私たちの場合は市場調査なんてほとんどやらない。うちの強みは“勝手さ”なんですよ。俺たちが「こういうものがあったらいい」と思う商品を考えます。
皆さん、もうモノを買っていないと思います。消費者は“体験”を買っているんです。(記事抜粋)
 
 
家電ベンチャー企業バルミューダの社長インタビュー記事です。(会員限定記事ですので読めない方はすいません。)
 
最近多くの書籍やTVで、マーケティングにおける「価値」や「体験」の重要が叫ばれていますよね。
 
しかしボクはここまで「体験」の販売を具現化したサイトや商品を見たのが始めてだったので感銘を受けました。
 
 
こちらをご覧ください。いったいなんのサイトでしょう?
 
チーズが溶けた美味しそうなパンです。
 

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文字に注目すると分かります。そうトースターの宣伝サイトなのです。
あれ?トースター一ミリも載ってなくね?そう思い、商品詳細ページへ。あ!あったあったけど小さくね???
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パンじゃね????http://www.balmuda.com/jp/toaster/

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パンじゃね?
 
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あれ?トースターなくね?
 
そうです。この会社さんは競争激しい家電業界に討って出てていますが、実はトースターなんか一ミリも販売していません。
最高の香りと食感で美味しいパンが食べられるという「体験」を販売しているのです。
トースターなど家電屋さんで掃いて捨てるほど販売しています。
価格もせいぜい数千円程度のお値打ち品がひしめいています。
そんな中、このバルミューダ製の商品は「22,900円!?」
たけっ!え?いつからトースターってこんなに高くなったの??????
 
僕はそう思い、価格.comを開きました。(http://kakaku.com/kaden/toaster/
売れ筋ランキング4位!?
注目ランキング1位!?
 
めっちゃ売れてますやん!?注目されてますやん!?
 

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しかもその外のトースター商品はMAX:パナソニックさんの6,690円、MIN:パナソニックさんの3,891円
もはや価格帯が数ランク以上異なるようです。
こうなるともうバルミューダを成功事例と認識し分析するよりありません。
サイトのコンテンツは、様々ですが多くは「パンの写真」に占められています。
 
 
これはどう考えるべきでしょうか?
要するにバルミューダのトースターの価値が、パンを焼く「機能」ではなく、焼きたての様な美味しいパンを食べられる日常という体験」なのです。
正直僕が購入を検討する際によぎったのは、焼きたてのパンを提供する専門パン屋やレストランの価格とこれにより得られる朝の幸福感。
 
つまり、競合はパン屋やレストランといったものでそもそも他のトースターと競合すらしていないかったのです。
 
なぜなら「焼く機能」ではなく、その機能の先の「体験」を販売しているからです。
 
こうした機能の先の体験を売るがゆえに、22,900円という高額な商品でも価格.comを見るに売れているのです。
 
マーケティングの市場規模や競合調査から得られるのはあくまでも常識の範疇。
 
こうした本質的な価値を探るとその常識を遥かに凌駕したコンテンツを誕生させることができるようになるはずです。
 
しかも感やあてずっぽうといったものではなく、再現性も存在する。
 
旅館も単に泊まる、食べる、旅行するという内容はもはや「体験」ではなく単なる機能でしかありません、その機能の先の「体験」売ることこそが今の時代のマーケティングなのでしょう。
 
ちなみにこの発想はエクスペリエンスマーケティングとして藤村さんというコンサル屋さんが提唱しているそうです。(参考書籍を張っておきます。)
 

 

やっぱり! 「モノ」を売るな! 「体験」を売れ!

やっぱり! 「モノ」を売るな! 「体験」を売れ!

 

 

 

ドリルを売るなら穴を売れ。という言葉があります。
 
ドリル=トースター
穴=焼かれたパン
 
つまり暖かいパンの必要性を売りなさいというわけです。
 
しかしバルミューダ製ドリルが空けた穴はは、「暖かいパンのある暮らしという体験」。
 
トースターの本来の機能を超えた「体験」の提供がこの商品の成功要因なのでしょう。
 
 
久々にこの私の知的好奇心を満足させるに足る事案だよ。
 
何をしている?早く準備したまえワトソン君。出かけるぞ!